RELOAD vol.005 SHOT SHOW 2010
年明けのこの時期に毎年開催される世界最大規模の銃器の展示会「US SHOT SHOW」。今年もラスベガスで開催されたショーの模様をフォトレポートでお届け致します。
■ACCURACY INTERNATIONAL
まずはこちら、AXシリーズを率いて堂々の展示となったのはAccuracy Internationalのブース。U.S. SOCOMからの要請によって様々な改善が施されたとの事。
詳細の説明が同社の公式サイトにも掲載されているので、興味のある方はどうぞ。(英文ですが・・・)
⇒U.S. Shot Show 2010 / Accuracy International
なお、上記写真の展示品には、AI社オリジナルのスコープマウントにインパクトのある「AI」の印字があるSchmidt & Benderのスコープが搭載されている事が分かる。
ペリカンのハードケースに収まっているのは、AW MAGNUM .300 win mag / .338 Lapua mag。軍用精密射撃ライフルに相応しい精悍な姿を披露。トイガンや無稼動実銃もこういう状態で部屋の中に飾るのはマニアなら一度は夢見た光景ではないだろうか。
こちらは50口径版のアンチマテリアルライフル。(.50BMG anti material rifle)。
■BARRETT FIREARMS
続いてこちらはBarrett Firearmsのブース。昨年に続いて対人狙撃銃のBarrett Model 98B(Bravo)が登場。このBarrett 98Bravoは「The NRA 2010 Golden Bullseye Award Rifle of the Year」を受賞。
Barrettブースについては、昨年度のレポートも参考に。
⇒U.S.Shot Show 2009 vol.4
メーカー公式サイト:
⇒Barrett Firearms
■BUSHMASTER FIREARMS
発表と同時にその斬新なフォルムが話題をさらったMagpul社のMASADA。様々なテレビゲームなどでもモデルアップされ、トイガンの世界でも注目となった。こちらはその血統を引き継ぐBushmasterからリリースとなるACR(Adaptive Combat Rifle)。
用途に合わせて、また射手の好みに応じた変更が可能となっている。
■CRYE PRECISION
一世風靡した感のある迷彩パターン”Multicam”で有名なCrye Precisionブース。一枚目の写真には新作のプレートキャリアー2点を含む同社の作品が展示されている。こちらは左からJPC(Jumpable Plate Carrier)とCPC(Cage Plate Carrier)、Cage Armor CHASSISと名付けられている。日本のゲーマーにもお馴染みとなったCHASSISもGen1、Gen2と細かな改善を経て進化しているようだ。
そしてCryeはヘルメットの開発も手掛けるようだ。こちらの写真のAir Frameヘルメットは、ツーピースのデザインで設計されており、爆破から頭部を防ぐ事を目的としている。また、側頭部に配置されたレールシステムやチンストラップはOps-Coreからの提供を受けてのものとなる。
■DILLON AERO
M134 Gatling Gunで有名なDillon Aeroのブース。写真は車両搭載用のミニガンのユニット。遥々日本からの撮影とのことで笑顔で応えてくれた。
⇒メーカー公式サイト:Dillon Aero
■EAGLE INDUSTORIES
メジャー・ギアメーカーのEAGLE社。毎年、新作の開発に意欲的な同社の動向に注目が集まり、今年も同社のブースには期待大。この数年は特に、ショットショーでの新作発表から市場流通までのサイクルが早くなっている為、ナイロンギアの一部においては日本市場でも早々に流通が開始されると思われる。
カマーバンドを装着したプレートキャリアの新型モデル。カマーバンドにはサイドプレートの装着が可能となっている。
また、プレートキャリアのショルダーには新型のショルダーパッドが取り付けられていることが分かる。
LBT6094Aに類似した形状のプレートキャリア。写真からの判断では、本体およびポーチ類には330 Denierのコーデュラ ファブリックを使用していると思われる。また、背面にはドアブリーチング用に使われる爆薬を持ち運ぶ為のものと思われる縦長のポーチが配備されているが、通常その用途で用いるものよりも若干長さが短いようにも思われる。
フロントスプリットタイプのチェストリグ新型ベース。フロントに取り付けられたM4マガジンポーチも新型のものとなり、マガジンポーチと言えども拡張性を重視し、ウェビングが施されていることが分かる。
EAGLE社を代表するバックパックのモデルとも言えるA3パックの新型。バックパックの底部にはモールシステムによるものではなく、ポーチがデフォルトで取り付けられている事が分かる。また、このバックパック自体は現行のA3パックより大型になっており、容量は大きい事がうかがえる。
■GLOCK
GlockのブースではGenerationⅣとなるモデルのG17、G22の展示が行われた。特徴的な事項については、上記1枚目の写真に記載があるので、興味のある方は参考にして欲しい。
1.Multiple backstrap system, Interchangeable standard and large sizes.
2.Reversible, enlarged magazine catch.
3.Dual recoil spring assembly.
4."Gen4" Rough Textured Frame (RTF).
■HK USA
H&Kブースは、基本的に昨年とあまり変わりの無い展示内容となっていた模様だ。1点だけピックアップしたこちらの写真は、HK416D w/M320 グレネードランチャー。M320グレネードランチャーにはフォアグリップが取り付けられている。
参考資料として昨年のショットショーにおけるHKブースの模様は下記のリンク先より参照して下さい。
⇒U.S.Shot Show 2009 vol.3
■Knight's Armament Co
ナイツ社のブースではURXが装着されたSR-25が新作として展示。写真向かって右側の展示モデルでは、サイレンサーが装着仕様のバレルへと換装されている事が分かる。
■Laser Devices
MINIMI Mk46のレールに搭載されているのはDBAL A2(Dual Beam Aiming Laser A2)。
写真左の中にある左手前、EOTech 552に同社のレーザーが一体で搭載されたモデルは「EOLAD-1」。同写真中の中ほど、台座上にあるのは「EOLAD-2」となる。
中央の写真の奥の台座にぼやけて写っているレーザーエイミングモジュールは左が「HK MP5 Dual Beam」となり、同奥中央は「HK MP5 and G3」となる。
また手前に並んだ3つの内、左と中央の2つのレーザー・ライトモジュールは「BLAST 2(Bright Light Aiming System Tactical 2)」となり、右のライトモジュールは「LAS/TAC2」となる。
3枚目の写真は、1枚目の写真と同様に「EOLAD-1」。
■LWRC
編集スタッフが注目のLWRCブース。トイガンの外装カスタムにおいても是非参考にしたい組み合わせも多く、目が離せない展示が多かった。
■MAGPUL INDUSTORIES
日本のみならず、多くのファンが注目は、ご存知マグプル社のブース。もちろん、各地で引っ張りダコとなっている”あの方”、クリス・コスタ氏(写真左から2人目)もSHOT SHOWに参戦。
Knights社との関係が深いクリス・コスタ氏。そんなクリス・コスタ氏が手にするのはKnights社からリリースのSR-15E3。オール・アンビ仕様となったこのSR-15E3をよく見るとロア・レシーバーにKnightsを、アッパーにはMagpulのロゴが入っている。この写真からは判断できないが、別のサイトに掲載されていた写真では、ハウジングにもMagpulのロゴが入っている事が確認できる。また、Knights PDWでお馴染みの窪みが特徴的なこのバレルにも注目が集まるところだろう。
Digital Concealment Systems, LLC.が開発した迷彩「A-TACS®」仕様となったACR。
⇒A-TACS / Digital Concealment Systems, LLC
http://www.a-tacs.com/
近年の米国を中心に普及が進んでいたピクセル調の迷彩パターンは、とりわけ光学機器を通して見た際に、周囲の環境へ溶け込み、物体の正常な輪郭を歪め、ねじまげる視覚効果が高いとされてきた。A-TACSでは、ピクセル調の迷彩をベースに、郊外の都市や荒野、不毛の地といった近年の紛争地域に特徴的な環境下での使用を意識した極めて迷彩効果の高いパターンとしている。
マグプル社パーツをふんだんに盛り込んだHK416D。マガジンに同社のEMAGをチョイス。
日本でもPTSより発売となり、大ヒット商品となったAFG(Angled Fore Grip)が取り付けられている展示モデル。RUGERのレシーバーが採用されているところに注目。
ショットショー以前に既に同社ホームページで発表があったように、HK G36用に開発された同社のマガジン「PMAG 30G」。
昨年のSHOT SHOWに引き続き、Magpul社のスナイパー用ストック、PRS2(Precision Rifle / Sniper)が取り付けられたHK G3 SG-1の展示。PRS2はFN FALやHK G3/91に対応。
こちらも昨年のマグプルブースに展示のあったMagpul MASSOUD。ご覧の通りのレール対応モデルとなり、使用弾は7.62x51 NATOとなっている。
Mapul PTSから発売を予定しているMagpul FPG。日本のトイガンメーカーKSCと、台湾エアソフトOEMのKWAのGlockに対応コンバージョンキット。
こちらもPTSよりリリース予定となっているエアソフトのMagpul MASADA。
MAGPULブースの番外編。ブースに展示されていたこちらのオートバイ。
MAGPUL RONINはBuell 1125Rをベースに実験的な企画として行われたものとのこと。名前の「RONIN」は、日本語の「浪人」に敬意を表してネーミングしているとの事。MAGPUL DynamicsのDVDカバーを始め、同社の親日さぶりが垣間見れる。
なお、MAGPUL RONINの公式サイトもオープンしているので、そちらも参考に。
⇒http://www.magpulronin.com/
■LOW ENFORCEMENT / POLICE VEHICLE
ユタ州のシェリフ(保安官)が現場で実際に使っている展示車両。フォードの車両がベースとなっている。
SWATなどでは事件現場への人員輸送、突入等の際にLENCO社のB.E.A.R.(Ballistic Engineered Armored Response vehicle)が使われる事が知られている。
■PRIMARY WEAPONS SYSTEMS
内部を見れるようにしたカットオフモデル。同社のカスタムパーツも多数トイガン用にモデルアップされている為、日本のトイガンユーザーにも馴染みのあるパーツが盛り込まれていると思う。
PWSブースの展示モデルにも、「台風の目」となっているMagpul社パーツが盛り込まれている。
■REMINGTON ARMS
左は、無電解ニッケルコートが美しい、レミントン Model 870P、12ゲージ。オハイオ州のハイウエイパトロールに特別納品したモデル。右はModel 870P Breacher。コンパクトなポンプアクションのショットガンとなり、先端にはネーミング通りドアブリーチングに適したスタイルとなっている。
上記3枚の写真はいずれもレミントンMCS(Modular Combat Shotgun)となり、左からEnhanced Breacher、中央 High-Capacity Patrol Config、右 Breacherとなっている。
レミントン MSR(Modular Sniper Rifle)。レミントン社のシャーシ・システム(RACS:Remington Arms Chassis System)が搭載されたマルチキャリバーのスナイパーライフル。有効射程距離は1,500m。使用弾薬は7.62mm、.300 Win Mag、.338 Lapua Mag。
とりわけ日本では何かと注目の高いACR。現在ACRの権利はレミントン社が持つが、レシーバーにはBFI(Bushmaster Firearms Inc)の刻印と合わせて「Model ACR」と「CALIBER - MULTI」の刻印が刻まれている。そしてグリップにはMagpul社のMIADが採用され、Magpul社のロゴもしっかりと刻印されている。また、先端にはAAC(Advanced Armament Co)のサプレッサーが装着されている。
RSASS(Remington Semi-Auto Sniper System) 7.62mm。
M700 Short Action w/RACS(Remington Arms Chassis System) 7.62mm。
M700P USR(Urban Sniper Rifle) 7.62mm。
■RUGER
RUGER SR-556。赤枠部分には注目すると、クロムメッキされた二段階ピストンによる作動システムや、4ポジのクロムメッキ・レギュレーター、そして冷間鍛造のクロムメッキされたミルスペック41V45バレルといったRUGER SR-556の特徴的な部分がクローズアップされる。
⇒Ruger® SR-556™ Autoloading Rifle
■SAGE ORDNANCE SYSTEMS GROUP
クラッシクスタイルのM14が一気にモダンで拡張性の高いスタイルへと変貌を遂げるSAGE M14 EBR。
SAGEのブースでは納入先別での紹介が行われていた。
- ARMY: M14EBR-RI
- NAVY: MK14 MOD0, MK14 MOD1
- AIR FORCE: MK14 MOD0
- MARINES: M39 EMR
■TROY
SAGEのM14とはまた違った雰囲気となったTROYのM14。写真にある3つのライフルはいずれもM14をベースとしている。
Mini-14 Modular Chassis System。
「MRF BATTLERAILS」と「MICRO BATTLESIGHTS」の展示。
SIG552のトロイカスタム。ハイダーとレール、フロント、リアサイトにトロイ社のパーツが使用されていることが分かる。
以上、写真を中心に足早でお送りした2010年度のU.S. Shot Showレポート。
英文に自信のある方、また沸き起こる探究心を抑え切れない方は是非インターネット上にある海外サイトのレポート記事を渡り歩いてみられてはいかがだろうか。きっと興味深い記事が沢山ヒットする事でしょう。
それではまた、来年のショットショーを楽しみにお待ち下さい。