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RELOAD vol.004

RELOAD vol.004
世界で最も多く作られ、世界中で使用されている自動小銃「AK-47」。
ミリタリーホビーユーザーの方なら東京マルイ製電動ガン「AK-47シリーズ」や近年発売された次世代電動ガン「AK-74シリーズ」はご存知だと思います。
実銃において、さらに掘り下げていくとAK-47とAK-74の中間モデルとなる「AKM」なども、耳にした事のあるユーザーは多いはずです。

実際は上記3モデルのロシア製ライフルを基礎として、世界中にライセンス・コピーを含めた派生モデルが存在し、すべてのカラシニコフライフルを含めた広義での「AK-47」は膨大な種類になります。

今回はその中の一部をトイガンとして発売されているもの、されていないものを織り交ぜて、シカゴレジメンタルスさんの協力の下に無可動実銃にてご紹介致します。

無稼動実銃専門店 シカゴレジメンタルス公式サイト
http://www.regimentals.jp/

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ソ連製 AK-47Ⅲ型 7.62x39mm。
1950年代につくられた、AK-47の最終バージョン。AK-47としても最も製造数が多く、このモデルからソ連以外でのライセンス生産も始まり、同型ライフルも世界中に存在します。

ミリタリーホビー業界では東京マルイがモデルアップしており、日本のミリタリーファンには最も馴染みのあるタイプと言えます。

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ソ連製 AK-47Ⅱ型。口径は7.62x39mm。
プレスフレーム製のⅠ型を強度アップのために削り出しフレームにしたものです。
同じAK-47でも東京マルイ製で電動ガンとしてモデルアップされているⅢ型との差異は、ストック基部やスリングスイベルの
位置など僅かな部分のみとなっています。
このⅠ型はソ連のみでの製造となっており、Ⅲ型よりも数が少なく、既に最終ロットが作られてから50年以上経過していますが、いまだ紛争地域でも使用されている光景が確認でき、息の長いライフルとなっています。

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ソ連製 AKM 7.62x39mm。
AK47シリーズの生産性を上げるために改良されたライフルがこのAKM。基本シルエットは同じですが、AK-47最終型(Ⅲ型)との本体互換パーツはほとんど無く、全く別の銃と言えます。
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大きな違いとしては、レシーバーがプレス加工となり、製造工程の簡略化と全体の軽量化に貢献しています。同クラスの他国製ライフルに比べてかなり軽量な仕上がりとなります。
ラミネート合板製ハンドガードは強度アップのために中央で接合方向をずらすなどの工夫がされています。

同時期に採用されたベークライト製マガジンは、AK-47のスチールプレスマガジンよりも軽量かつ頑丈で、同製法のマガジンはその後もソ連・ロシア軍で一般的なものになりました。同口径のカラシニコフライフル間ではマガジンの互換性を保っています。

タンジェントサイトはAK-47が最大800mのものを、1000mに変更されています。
また、本体内に発射サイクルを抑制するためのレートスタビライザー機構を持ち、フルオートマチック射撃を安定化を図っています。

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56-1式 7.62x39mm 中国。
AKS-47Ⅲ型を中国でライセンス生産したライフル。基本的な構造は同じですが、各部刻印に加えスリングスイベルやフロントサイトポストガードの形状などが変更されています。

後にAKMと似たプレスフレーム製に改良された各種56式が登場しますが、レシーバー製造工程の違いのみで機構は削り出しフレームのものと同じになります。
木製ハンドガード・グリップのものとプラスチック製のものがあり、今回の写真のものは後者となります。56式シリーズは他国にも積極的に輸出されていて、世界中の戦場で使用されています。

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RELOAD vol.004AIMS 7.62x39mm ルーマニア。
ソ連よりライセンス生産していたAIM(ルーマニア製AKM)を独自にフォールディングストックモデルに改良したライフル。

東ドイツ製AKMS(MPi-KMS)に似たワイヤーストックを持ち、合板製ハンドガードと一体で削り出されたフォアグリップが特徴的です。

ワイヤーストック軸は左側面側にオフセットしており、右利き射手のみを想定したつくりとなっています。
構成部品においてソ連製AKMとある程度の類似性・互換性はあるものの、全く同じパーツというものは存在しません。

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旧ソ連時代、1970年代にAKMSの試作カービンを小口径化したものが、こちらのAKS-74U。口径は5.45x39mm。
ラッパ状となった特徴的なフラッシュハイダーには、大きなガス溜りがあり、ショートバレルから来るバレル内圧力不足による作動不良を解消する役割を持ちます。
70年代当時、ソ連では有用なサブマシンガンが無く、その代用として特殊部隊の近接戦闘用や車両乗務員などがこのAKS-74U装備していました。


と、いつものオモチャ(トイ)としてのテッポーから趣向を変え、実銃メインでの話題を中心にお届け致しました。
美術品として新たな位置付けを開拓したシカゴレジメンタルスの「無稼動実銃」。

「無稼動実銃」はコインの収集と同じく、製造数、製造国、製造時代、特徴の違いを楽しむものと言え、「銃」という特殊性がある為、発射機構こそ失われているものの、その他の部分ではオリジナル性を重視した資料価値高い物品です。
無稼動実銃のその1つ1つを手に取りじっくりと見つめる事で、その銃が生まれた歴史や製造年代、使用国、保存状態、希少価値の違いに楽しみを見出す事が出来る、違いの分かるオトナの趣味と言えるでしょう。

「無稼動実銃」は日本国内での法律に従い、本来の実銃には当然にして備わっている発射機構のその主要機能を完全にオミットされています。また、「無稼動実銃」は、現在一般的に①原則所持が禁止されている実銃、②モデルガン、③エアソフトガンと、3つにカテゴライズされる銃関係のカテゴリーにおいていずれにも属さない「第4のカテゴリー」として特殊な存在となっており、まだまだ認知がされていないのが実情です。

実物の銃というイメージが先行して、「上級コレクター向き」というイメージを持たれがちな「無稼動実銃」。しかしながら、実は何も特殊な人が興じる趣味ではなく、ごく普通の方が集めている品です。

興味を持った瞬間から趣味の世界を広げる事が出来ます。学校での勉強とは違い、趣味の世界での勉強は探究心の賜物と言え、自発的に、そして貪欲な知識欲を刺激される事でしょう。

さあ、皆さんも「無稼動実銃」の世界へ一歩踏み込んでみませんか。きっと新たな知識欲を刺激されると思いますよ!

RELOAD vol.004
撮影協力:無稼動実銃専門店 シカゴレジメンタルス
シカゴレジメンタルス ホームページ:http://www.regimentals.jp/


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